Honey×Kiss*幼なじみは王子さま
「さっき愛生のお母さんに会って、熱出したって聞いたからさ」
「あ…」
――買い物行ってくるからね
「楓の方が良かった?」
意地悪そうにクスッと笑う梓くんは私を余計に混乱させ、少し傷つけた。
「いっ、いえ……。全然……。それより、その、ありがとうございます」
「??」
「お見舞い、です」
パジャマ姿の私はぐっと顔が半分隠れるまでに布団を被って、あまり見られたくない姿なので目線をわざとそらす。
その間にも梓くんは何か言いたそうな雰囲気を出していて。
自分のことで精一杯な私は、そんな彼の心情に気づかないで恥ずかしさと、高鳴る胸を抑えるのに必死。