Honey×Kiss*幼なじみは王子さま

ぎゅっと震える拳を落ち着かせるために握って。



「ちゃんと話をしてきたんです。…好きな人がいるから……。だから楓くんとはお付き合いできないって……」

「うん」

「それで私…梓くんに……。梓くんのことが……」



いざ本人を目の前にしたら、さっきまでの前向きな気持ちは急に不安へと変わり、言いたいことが混ざってしまい言葉にならない。


好きの伝え方。


愛情表現の仕方がわからないんです。


それでも梓くんは黙って前を向いて聞こうとしてくれてる。



「俺のことがどうしたの?」

「私…その…えっと……っ。梓くんの〜〜っっ!」


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