愛する人と天使たちへ〜実話〜
壱クンは、これから夜勤だと
いうのに、ギリギリまで
そばにいてくれた



みんなが帰った後、静かになった病室



我慢していた涙が一気に溢れた


お腹を何度も何度もさすった



そしてもういない赤ちゃんに話しかけてみる




―ごめんね…痛かったよね…
ごめんね―




あのビンに入れられた赤ち
ゃんは、医療廃棄物として


ゴミのように捨てられてし
まうんだ…



そう思うと、怒りと虚しさ
で悔しくて、涙が止まらない




その時


病室の外から赤ちゃんの
泣き声が聴こえた





この日、一つの新しい命が
誕生したんだね
< 69 / 81 >

この作品をシェア

pagetop