アナログ三姉妹
「でもそのプリン、卵をたくさん使ってるらしいプレミアプリンなんだけど」
あまりの不評に頭をかくしかないが、
[プレミア]という魅惑な単語に、女二人の眉がピクリと動いた。
とどめに、
「ショートケーキより高いんだけど?」
「ま、仕方ないわよね。じゃ、れいちゃんケーキと半分ずつする?」
「仕方ないわねー」
ぶつくさ言いながら、
満面の笑みで甘味を頬張る妹たちを見、
女心と秋の空、
兄は肌で実感するのでありましたが…。
「あー‼」
れいが悲鳴を上げた。
「な、なんだよ‼」
「あれ、あれ…」
そう言って指差すほうには…。
画面が歪んでいるテレビが。
テレビが壊れたのだ‼
「わたしに任せて」
ひかり女史が颯爽と立ち上がった。