アナログ三姉妹
「やっぱり可愛いわね」
ひかりは、マサを撫でながら見入る。
「よく撮れてるよな?」
「お兄ちゃん、親バカみたい」
三人で笑っていると、
さっきは耳に入らなかったナレーションが。
[三人は仲の良い兄弟。けど、お嫁に行っちゃったお姉ちゃん。そんなお姉ちゃんは、毎日ボクの所にやってくる。だから寂しくないんだ]
「私のことじゃん。毎日、来るもんねー」
れいがマサの頭を撫でる。
[だから寂しくない。ボクたちは心で繋がっているから]
ナレーションはそう締めくくった。
なぜだか沈黙が流れる。
けれどそれは、
三人ならではの、
深くて温かい沈黙。
言葉はいらない。
言葉なんてなくても、
三人は、
解り合えるのだから…。