アナログ三姉妹


「スマホに変えるよ」


お茶を淹れなおし、


ようやく動揺がおさまったところで、再び切り出した。


「フスマ貼り替えるんじゃなく?」


またしても真顔のひかり。


「うちの家にフスマないだろ?」


「諏訪湖?」


「れい、無理があるよ」


丁寧にたしなめ、


「だから明日、お前たちを連れてってやろうじゃないか」


ニンマリ微笑むが、


なぜか場は静まり返り、


「れいちゃん、あのワンピ可愛かったわよね」


「うん。やっぱり買ったほうがいいかな?」


「色が良かったわよ」


「最近は緑が流行りなんだって」


「でも割高だったわよね?」


「手が出ないってわけでもないんだけどー」


く、


口は出してはいけませぬか?








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