死への救急搬送


私が考えていたよりも早く呼びに来たので一瞬私は手術はだめだったのかと思いました。

「はい」

返事をした私に看護師さんは

「奥さんの手術はまもなく終わります。そのままICUへ移動しますのでICU室の前へ移動してお待ちください。先生から説明があります」


「わかりました。ありがとうございました」


どうにか命は助かったのだ。

どういう状態かは知る由もないが、とにかく命は助かった・・・




私は待ってくださっていた方々に礼を言いICU室の前へ移動して待ちました。




でもここからまだ時間がかかるのです。

私は経験で知っていたので待っている方々には申し訳なかったのですが、これまでの疲れと安堵感で横になりたくて長椅子で横にならせてもらいました。




午後11時

ICU室の扉が開き看護師さんが出てきました。

「桜坂さん」


「はい」


「どうぞお入りください。先生から説明があります」




先生から説明後は家内と面会できるのですが娘がまだ到着していません。

私は看護師さんに娘が到着すれば入れてやってくだいとお願いして先生の説明を聞きに入りました。
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