失恋レクイエム ~この思いにさよならを~

俺の気持ちがようやく上向きに外向きに、前向きになってきたのを見計らったかのように、同期の志村が合コンの話を持ちかけてきた。
同じく同期で志村の彼女、河辺美紅が他社の女子数名とうちの男子数名の飲み会を企画したからそれに出ろ、と。
乗り気ではなかったが、しぶしぶ参加。

恋の痛手は恋で。

なんてのを真に受けてるわけじゃないけど、気晴らしくらいにはなるかなって。

後輩3人に先輩1人に俺の5人対河辺の知り合いというショールーム勤務の女子5人といった顔ぶれ。

「なかなかかわいい子ぞろいでしょ?アンタの趣味は把握してるつもりよ~。ま、楽しんで」

なんて耳打ちだけ残して河辺は帰ってしまった。そのため、河辺の同期でもある俺が仕切る破目に。

同じく河辺と同じ大学だったという女子組みの中の1人、館林さんも手伝ってくれて、飲み会自体は楽しく進んだ。

河辺の言う通り、みんなカワイくてきれいだなと思う。同席した後輩に先輩もテンションが高い。

「羽賀さん、お酒苦手?」
「いや、好きな方です」

俺の右隣に座った成田さんに首を横に振ると、彼女は通りかかった店員に何かを注文した。彼女の印象はしっかりした姉御肌。さっきから見てると料理を取り分けたり注文したりと世話焼きタイプ。

「その割にはあんまり進んでないですよね」
「実は最近控えてるんですよ」
「えーどうしてですか?」

左隣にいた小山さんが突然会話に入ってくる。この子は年下の甘え上手な第一印象。見かけも童顔で背も小さいのが相乗効果をだしている。

「うーん、別に理由はないんですけど…1回悪酔いしてイタイ思いしたからかなぁ」
「なんですか、イタイ思いって。気になります!」

今度は向かいに座った牧村さん。彼女はハキハキと喋る明るい子。

「それが、酔った勢いで告白しそうになったんですよね」
「「えぇーーカワイイー!」」

バシッと両側から肩に衝撃。あの、普通にイタイんですけど。

愛想笑いを投げて俺はなんとかやり過ごすものの、ちょっと疲れてきたぞ…。
お酒を飲んでるからテンションが上がっていくのは仕方ない。だから酔いにくい俺はそのテンションにいつもついていけないんだ。

同期の奴ら、志村に河辺、皆川はみんな俺より強いくらいだから飲んでても普通に楽しいのにな。
そういえば、時森さんも強かったなぁ。俺と同じくらい飲んでも顔色1つ変わらなかったし。
< 61 / 100 >

この作品をシェア

pagetop