約束の場所【短編・完結】
その表情が
今はものすごく
憎たらしい

「着いたぞ」

しばらく無言で
歩くあたしに
その声は
優しく響いた

「やっと着いた…」

傍目から見ると
小さな丘と思ったけど
たどり着くまでの道のりは
結構ハードだった

はああっ…
多くため息をついて
登った達成感を
ひとり味わう

「よく見てみろよ」

そう隆に言われて
辺りを見回す

古ぼけた木造建築
取り囲むように
植えられた木々

なぜだろう…

この場所は
前から知っている
気がする…

懐かしさを
覚えた


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