蜜色オフィス
「福田くん、遅れるよ」
「え、でも、まだ話が終わってなくないですか?」
抵抗する福田くんをぐいぐい引っ張ってると、それを見ていた沖田さんがクスリと笑って言う。
「俺と芽衣が仲いいかって事なら、芽衣に聞くといいよ。
でも、できれば秘密にしてくれると助かる」
満面の笑顔で言う沖田さんの顔を見れば、福田くんがどう感じたのかがすぐ分かる。
今福田くんの頭の中は“社内恋愛……、オフィスラブ!?”って言葉でいっぱいだと思う。
っていうか、福田くんじゃなくてもそう推理する。
「あ、芽衣。今夜時間空けておいてくれる?」
「……すみません。用事があるので」
ホント、どういうつもりなんだろう。
怒りすぎて、逆に笑顔になってるの?
そんな疑惑を持ちながら見ていると、沖田さんが微笑む。
……その笑顔が、なんでだか怖かった。