蜜色オフィス


『芽衣が言うように、アイツが仕事を必死にやってるなら……。
恋愛沙汰で社内の評判が落ちるなんて、不本意だろうな』

泣いてる場合なんかじゃない。
どうするかを、考えないと……。

考えないと、ダメなのに。
沖田さんなんかに絶対に負けたくないのに。


「別れたく、ない……っ」


何も考えなくなるくらいに、宮坂で私の中がいっぱいで。

涙が溢れて止まらなくて、ベッドの布団で顔を隠した。


『今度の休みにはどこか行こうか』
『どこがいいか、考えておいて』

別れたくない……。
別れたくないよ、宮坂……っ。



―――でも。
宮坂を沖田さんから守る方法が、他に見つからない。






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