蜜色オフィス


ようやく止まった涙。
視界がクリアになった途端、宮坂が微笑みながらそんな事を言うから、思わず胸が跳ねる。


「だ、だとしても……、」
「好きだ。だから、手離したりしない。絶対に」


“だとしても、問題は何も解決してなくて、結局はどっちかを選ぶ必要がある”
そう言いたかったのに。宮坂の"好きだ"に、言葉が出なくなる。

嬉しくて、きゅって胸が締め付けられて……、涙がこぼれる。

私は、本当に宮坂が好きなんだ。
単純にそう思った。
たったひとことでこんなになっちゃうくらい、宮坂が。

じっと見上げていると、宮坂がだんだんと近づいてくるのが分かった。
縮まる、2人の距離。

ゼロになったところで、目を閉じて……。
でも、宮坂の舌が入り込もうとしてきた瞬間、ハっとして宮坂の胸を押した。



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