蜜色オフィス
「……ふ、…っ」
宮坂の唇がゆっくりと離れる。
けど、私と宮坂の距離はたった数センチ。
私がほんの少し動けばまたキスしちゃいそうな距離で、宮坂が見つめる。
ドキドキドキドキ、心臓がうるさく内側から私を急かす。
「物足りないって顔してる」
「……っ」
宮坂が話すと、空気の振動が唇にあたって身体が震えた。
1年ぶりくらいにヘアアイロンの呪縛から解き放たれた髪が、宮坂の顔に落ちる。
その髪を私の耳にかけながら、宮坂がじっと見つめた。
「今日は巻いてないんだな。
似合ってる」
「……っ」
宮坂の指が耳をなぞるから、自然と身体がすくむ。
身体中が、宮坂の仕草や言葉ひとつに敏感になってた。