蜜色オフィス


「……ふ、…っ」


宮坂の足の間に片膝をついてるから、今は私の方が高い位置にいる。
宮坂は私の後頭部をしっかりと抱き寄せて、唇を合わせていた。


「あっ……、待って、」


もう片方の手が……、すっと伸びて膝のあたりから足をのぼってくる。
びっくりして離れると、頭に回された宮坂の手がそれを止めた。


「や……、宮、坂…っ」
「なに?」
「ここ、会社……っ、」
「知ってるけど」
「知ってるって……、や、だめ……っ!」


二人分の体重をかけられた椅子が、ギシってきしむ。

じっと見上げてくる宮坂の瞳に、熱がこもってる。
その瞳に時間が止められたみたいな錯覚に陥って……、ハっとした。

私……、キスもこの瞳も、知ってる。

なんで……?
もしかして、一週間前、本当に―――……。


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