蜜色オフィス
かぁって顔が熱くなったのを、スープのカップで梢から隠すようにして一気飲みする。
「そんなにおいしかった? そのスープ」
「え、あ、うん」
梢の疑惑の視線を笑って誤魔化しながら、カップをトレーに置く。
“大事にされてるって感じるようなキス”、とか。
付き合ってるわけでもないのに何考えてんだろ、私。
……でも。だから、心地よく感じたのかも。
えっちに持ち込もうとしてるのがバレバレな沖田さんのキスとは大違いだ。
「それより、あの後沖田さんとちゃんと話した?」
「あ、うん。
ただの噂で、井上さんとは何もないって」
「それ、信じたの?」
「……んー、わかんない」
自分でもよく分からない事を聞かれて、あいまいな笑顔で誤魔化すしかできなかった。
「沖田さんの事は……なんか、考えれば考えるほどわかんなくなる」
そう呟くと、梢が軽くため息をつく。