隣の席のキミ




何を言うかと思ったら…
「山城さんって髪伸びんのはやくない!?」
……!!??
な、なにコイツ…いきなり…。
どうせ、「エロいから」とか言うんだろうな…。
エロい人は髪がすぐ伸びるって聞いたことあるし…
「そーかな…!?でも早くのびてほしぃー(笑)」
私の精一杯の受け答え。
藤田にしては変なこと聞いてくるからちょっと戸惑っちゃった。
……てか、藤田さっきから何も言わないじゃん!
…どおなってんの…?
「藤田…??」
「……ん!?」
この反応…完璧上の空だ……。
せっかく頑張って答えたのにぃー。
「何、ぼーっとしてたの(笑)?」
「…ん!なんかぼーっとしてた(笑)てか俺トイレ行ってくっから~」


…なるほど…
今日一回もトイレいってないな……大丈夫か俺?
みたいなことを考えてたのか……な?
「いってらぁ~」
藤田はトイレ?に行ったみたいだし、…あ…中山先生、いつの間にか消えてる…(笑)



藤田ともっとしゃべっていたかったな…。…なんか藤田、前よりおとなしくなった??
なーんて思うのは私だけか…


とにかく、このままじゃ、ダメ…だよね。
ん、ダメな気がする。
やっぱり、言わなきゃ。
怖いけど…言わなきゃ…。
藤田は、影でモテるし、性格も悪くない。
そんな藤田が、私のこと…好きになってくれるはずないけど。
でも、もしかしたら…?
私は期待していいのか、それすら分からないけど…今は、もう、藤田が好きだから…それ以外何も要らない。





“藤田が好き”という気持ち以外は…。





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