隣の席のキミ



私は思わず声をあげてしまった。
や、やば…。
で、でも本当に真菜、なの!?
「声デカいって…」
「ご、ごめん。でも私知らなかったからびっくりして…」
「知らないのは当たり前~。俺がついさっき告ってきたばっかりだもん」
「は…?ついさっき?」
私が頭上にハテナマークを浮かべていると前野は「そ!ついさっき」と私をバカにしたように笑った。
なるほど…だからさっき真菜の姿が見あたらなかったわけか…。
それで告白を受けた真菜がオッケイしたと…。
「良かったじゃん、結ばれて」
「いやいや~まぁね~」
そうだったんだ…。
前野は真菜が好きだったんだ…!
でも、全然知らなかったなぁ。
前野いい奴って真菜も言ってたし、二人、合ってるかもね。
私も頑張らなきゃ。
藤田に、好きになってもらえるように。
今はただ、話せるように。
席、藤田とそんなに遠くなくてよかった。隣も前野だし。
しかも一番後ろ。



私、くじ運上昇中かもです…!






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