隣の席のキミ



そんな中、左斜め後ろから何か飛んできて、俺の頭に直撃。
「痛…っ」
俺の頭に跳ね返って落ちたもの。
それはくしゃくしゃに丸めてあった紙切れのようなものだった。
???
なんだコレ…。
俺はそれを拾って中身を開いた。
ドット柄が印刷された可愛いメモ帳。
そこに書かれていたのも、また、可愛いらしくて綺麗な文字。
『あくび、超めだってた(笑)まだ眠いの?』
後ろを向くと、この手紙の正体が分かった。
こっちを向いてクスクスと笑っている山城。
俺は、フッと笑い、机に向き直った。
そして返事を書く。
『マジ眠い~。てか腹減った~』
書き終えた紙をまた丸めなおして、山城の机にホイッ。
見事、机のど真ん中に着地。
数秒経って、飛んできた紙。
それもまた、俺の後頭部へ撃沈。
まぁ、そんなには痛くない。
今日は、たまたま俺の左隣の席の奴と、山城の右隣、つまり俺の後ろの席の奴が風邪と早退でいないため、こんなことができてしまう。
運がいいっちゃいいけど、体調不良でいない二人は災難だ…。
そんなことを考えながら紙を開く。
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