天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅠ
「ふむ」

顎に手をやり、しばらく思案する渉。

ページを捲ると、メモ帳には現時点での被害者一覧が書かれていた。

丹下 雛菊、色彩 カレン、城山 小夜、璃宮 シーザ、琉…。

「その中のうち、琉とシーザは麗に、雛菊は謎のロボットに襲われたという…犯人は特定できているのだ」

「……」

龍娘の言葉に尚も思案する渉。

「では色彩さんと城山さんは、まだ犯人が特定できていないと?」

「ああ…今我々が絞り込んでいる四人のうちの誰かではないかと踏んでいるのだが…」

龍娘が言うが。

「…それは…違うかもしれませんね」

渉はポツリと呟いた。

「色彩さんと城山さん…この二人に共通する『出来事』と『人物』がいます…それに関連する者が、今回の事件の犯人…雛菊さん、琉さん、シーザ君は、また別の事件ではないでしょうか?」

「何…?」

翡翠が名前通りの色の瞳を見開く。

「根拠は…?」

「……囁くんですよ」

渉は学生帽の鍔越しに翡翠を見た。

「耳元で、僕の勘がね」

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