不機嫌に最愛
*彼、積極的につき


【彼、積極的につき】

☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜



「……はぁー、」


疲れた、とは思わないけど、頭の中がグチャグチャで混乱している。

それもこれも、全部梓希先輩のキスのせい。

……なんて、考えるだけでまた溜息が漏れてしまう。

バスルームの浴槽の中。

お気に入りの入浴剤を入れても、晴れないモヤモヤに溜息が止まらない。



「もう、ワケわかんない……」



私を惑わす梓希先輩に、突然のキスの理由に。


もちろん、イヤだなんて全く思わなかったけれど、どうして?って気持ちの方が大きくて。

我慢するのやめたって、何……?

悩んでいたって、時間は確実に過ぎていて。

もうすでに、約束の夜にだってなっているのに、梓希先輩はまだ現れない。




「……梓希先輩のバカ、」



口から溢れるのは、梓希先輩への悪態ばかりだ。







< 13 / 41 >

この作品をシェア

pagetop