私の子猫くん

「杏……遅いなぁ……」






僕は杏がジュースをどう買ってくるか分からないけど、少し時間がかかりすぎているような気がした。







「どうしたんだろう……」






何だか胸騒ぎがする。探しに行こうかな……






そう思って立ちあがったとき、





「ごめんね、コウ。遅くなっちゃった。」






「杏?」






杏が息を切らして僕の目の前に現れた。その手にはオレンジ色の缶がある。






「何してたの?大丈夫だった?」






「うん。ごめんね。」






……杏の笑顔がいつもの笑顔じゃない。嘘ついてる。


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