『短編』恋するハーモニー


七海が思わず廉の旋律に合わせて音を重ねると、彼は振り返って目だけで微笑んだ。


しんとした準備室に、2人の歌声が響き渡る。


次第にその歌声は大きくなり、フォルテシモで締めくくると2人は目を合わせてくすくすと笑った。


「アルトとテノールだけだと、主旋律がなくて微妙だね」


廉はそう言いながらも満足そうだった。


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