プラトニックラヴ~大切な人々へ~
「拓美が言った冗談が本当になっちゃった」

 病院の椅子で泣きながら一人呟く琴美

「俺今幸せだからもしかしたらこれ書き終わったら死ぬかもな」

 拓美が笑って冗談を言う

「もう!変な事言わないの!」

 琴美が怒る

「悪りぃ悪りぃ。でももし死んだら俺は小説家になれて幸せだったって
 インタビューで言ってくれよ」

 笑いながら言う

「もう!本当に死んでも知らないからね!!」

 呆れる琴美

「拓美!拓美!何で死んじゃうのよ!!拓美!!」

 泣く琴美

 それから3日がたってニュースで俺の死は放送された

「奥さん!!何かコメントをください!!」

 記者が家の前でコメントを求める」

「旦那は、拓美は!俺は小説家になれて幸せだったって言ってました」

 記者に言う

「奥さんの今の気持ちを聞かせてください!」

 記者が聞く
「信じられないです。最後の小説を書き終わる直前に冗談で死んじゃうかも
 なって言っていたので」

 泣きながら話す

「そうですか。これからどうするおつもりですか?」

 記者が聞く

「これからは普通に息子2人と暮らします」

 泣きながら話す

「そうですか。どうもありがとうございます」

 そういうと記者は去る

 過ぎ去った時間はもう戻ってこない、いくら泣こうが
 神に祈ろうが拓美と子供達と一緒に笑いあったあの日々は
 拓美と一緒に歩んだあの時間はもう戻らない!
 私はベッドで何時間も何時間もずっと泣いていた。
 それから何日か記者からのインタビューは激しく続いた
 私は全てにちゃんと答えた。拓美が死んでから小説は
 異例の速さで出版され最後の作品として書店に並んだのである









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