【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~

ぴぴぴぴ――。


ベッドの上で一人、


脳内妄想を膨らませながら百面相をしていた優花は、目覚まし代わりの携帯電話のアラームに、ハッと現実に引き戻された。


「寒っ……」


背中の汗が冷えて、ヒンヤリする。


――このままじゃ風邪をひいちゃう。シャワーでも浴びて、気持ちを切り替えよう。


重い体をズルズルと引きずるように、二階の自室から階下のバスルームへと向い、


洗面所兼脱衣所の外開きのドアを無造作に開け、視線を上げたその瞬間、


えっ!?


ドアノブを掴んだまま、優花の全身はものの見事にピキッ!


と、固まった。

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