ワイルドで行こう
真夏の灼熱の中、汗を流している男が振り向いた顔がびっくりした顔が一緒で、琴子はさらに微笑ましくてにっこりしてしまう。
「ほうかね、琴子さん、ええんかね」
「もちろんです。お父さんのお野菜を調理したいです。おいしい食べ方、教えてください。ね、英児さん」
「お、おう。そうだな。うん、来いよ」
息子のその言葉にも、お父さんが驚いた顔をしている。
「ほなら、今度、行こうわい」
初めて、お舅さんが麦わら帽子のひさしのしたでにっこり笑った。やっぱりそっくり。
ちょっと照れて、今度は英児が笑えなくなっている。でもその顔が、やっぱりあの写真に写っていた悪ガキヤンキーと一緒。
ほんとうは。末っ子でいつまでもちいさな息子(若い息子)が心配なんですよね?
お嫁さんになって初めてのお盆。ぎこちない父子の後ろに、爽やかな瀬戸内の風が通りすぎる。


