愛を餌に罪は育つ
今日は泣いてばかりだ。


涙は枯れることはないのかな。


今だって止まるどころか恥ずかしい程零れ落ちている。



「ごめッッ――」

『いいんだ。泣きたいだけなけばいい』



秋は私を抱き寄せると、背中を優しく擦ってくれた。


大きな温かい手。


私は秋の首にしがみつき、声を我慢せずにありのままの姿で泣いた。


いつだってそんな私を大好きな腕で包み込み、子供の様にあやしてくれる。


暫く泣き続けていると、泣き疲れからかふと冷静さを取り戻す瞬間が現れる。


冷静になり涙も止まり呼吸を整えてはまた感情が込み上げ、息を乱しながら涙を流す。


何度目かの冷静さを取り戻し、私は俯いて秋から体を離した。



『美咲?』

「見ないで――今もの凄く不細工だから。こんな顔見たら幻滅するよ」



おでこに柔らかい感触がして、直ぐにそれは秋の唇だと分かった。



『前にも言っただろ。どんな美咲も好きだと』



遠慮がちに秋の顔を見ると、凄く優しい顔で笑ってくれていて、思わず私も笑顔になった。






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