10年越しの恋
初診から1週間が経過していることを思い出し、1人で病院へ行った。
今日も幸せなそうな妊婦さんで満員の待合室。
優しいカノンが流れる中で順番を待つ。
「岩堀さん」そう呼ばれて診察室へと入った。
前回と同じ手順で診察台へ上がると、内診の後超音波検査。
緊張しながらTVモニターへと目を向けるとたった1週間なのに成長した姿が映し出された。
「順調に大きくなってますよ、白い塊の中央がぴかぴか点滅しているのわかりますか?」
悩んでいると年配のふくよかな看護師さんが隣に立ち指さしてくれる。
「見えました」
「それが赤ちゃんの心臓です、元気ですよ」
お腹に手を置くとその鼓動が伝わってくるような気がした。
着衣を整えて普通の椅子に座りなおし医師と向き合う。
「体調はどうですか?」
「少しつわりがひどい気がします、あまり食べられなくって」
「そうですか、でも赤ちゃんはまだ自分で栄養が取れていますからお母さんは水分補給だけ気を付けてください」
「わかりました、ありがとうございました」
そう言って診察室を後にした。
お母さんの響きに少し顔がほころぶ。
病院を出てすぐOFFにしていた携帯の電源を入れて雅紀にメール。
”華ちゃん元気だったよ。順調に育ってるって ”
この時も雅紀が親の説得に苦労していることを私は知らなかった。
今日も幸せなそうな妊婦さんで満員の待合室。
優しいカノンが流れる中で順番を待つ。
「岩堀さん」そう呼ばれて診察室へと入った。
前回と同じ手順で診察台へ上がると、内診の後超音波検査。
緊張しながらTVモニターへと目を向けるとたった1週間なのに成長した姿が映し出された。
「順調に大きくなってますよ、白い塊の中央がぴかぴか点滅しているのわかりますか?」
悩んでいると年配のふくよかな看護師さんが隣に立ち指さしてくれる。
「見えました」
「それが赤ちゃんの心臓です、元気ですよ」
お腹に手を置くとその鼓動が伝わってくるような気がした。
着衣を整えて普通の椅子に座りなおし医師と向き合う。
「体調はどうですか?」
「少しつわりがひどい気がします、あまり食べられなくって」
「そうですか、でも赤ちゃんはまだ自分で栄養が取れていますからお母さんは水分補給だけ気を付けてください」
「わかりました、ありがとうございました」
そう言って診察室を後にした。
お母さんの響きに少し顔がほころぶ。
病院を出てすぐOFFにしていた携帯の電源を入れて雅紀にメール。
”華ちゃん元気だったよ。順調に育ってるって ”
この時も雅紀が親の説得に苦労していることを私は知らなかった。