牛乳と猫スーツ。
「あ、優華ちゃん!」
立ち去ろうとした、優華を寮長が呼び止める。
「蓮に聞いてみたらいいと思うわ。南条さん、蓮と仲良かったから。」
「仲が良かった?南条さんは会長と知り合いなんですか?」
直樹が寮長に尋ねる。
「去年同じクラスだったし。蓮や生徒会メンバー以外の人と話してるとこ見たことないわね。」
【グラウンド・寮側】
「南条さん、留年してたのか…。」
「私、知りませんでした。」
「とりあえず、会長を探そう。今日、部活は休みだから生徒会室かな?」
2人が新館に向かってグラウンドを歩いていると、野球部の中に探している人物を見つけた。
「あれ会長じゃない?」
「本当ですね、あんなに髪が長いのは姉さまくらいです。」
2人が野球部に近づいていく。
やはり蓮だった。上着は脱いで、長袖のシャツを肩口くらいまで捲り上げ、いつもよりスカートを短くして、左バッターボックスに立っていた。
そこまではいいのだが、なぜか普通のバットではなく、室内掃除用であるT字型のホウキを持っていた。しかも持つ方を上にして。
ピッチャーが振りかぶってボールを投げる。