牛乳と猫スーツ。
「えへへ。ごめんね、いつも優華のベッドに潜り込むんだけど。」
「いいよ。早く寝な。」
「うん、おやすみ〜。」
安心した彩華は数分で眠りについた。
「彩華…お前はきっといい会長になる。だが………幼すぎる。」
蓮は体を起こし、彩華の頭を撫でながら呟く。
「俺の代わり……直樹が隣にいても、お前が幼いままなら意味がない。」
最近部活での彩華の仕事は極力1人でさせているが、未だに成長が見られない。そんな彩華に、蓮は少し焦りを感じていた。
誰とでも手を取り合う能力があっても、本人の精神力が弱くては、いつかバランスが崩れたときの重圧に耐えきれない。
「俺はいつまでも、お前の隣にはいられない…。」
蓮はベッドから出てキッチンへ歩いていく。
キッチンだけ電気をつけて、引き出しをあける。そこから小さな紙袋を取り出す。
紙袋に入っているカプセル数個を口に含んで水で流し込む。
「こんな物に頼らないと寝られないようになるとはな…。心理的のストレスか、それても精神的な問題か…。」
紙袋には睡眠導入剤と書かれていた。それを引き出しに戻して彩華が眠るベッドに戻る。
「俺も…もうすぐ3年になるのか。」
暗い部屋の天井を見つめる。
「ん?」
右を向くと、彩華が抱き付いていた。クスッと笑い、また天井を見る。
「時間が…足りない。」
そう呟くと同時に、まぶたが重くなっていき、蓮は目を閉じた。