牛乳と猫スーツ。
46.5…『外伝』コインの裏で戦う者達。
【無名大橋】
無名県は本土と離れており、無名大橋は無名県と日本本土を繋ぐ唯一の橋である。
なぜ離れているのか、その話はいずれ明らかになるだろう。
AM1:25。冬の橋の上は肌を刺すような冷たい風が吹いていた。その橋の中央に2人はいた。
「作戦地点に変更なし、このまま目標が現れるまで待機だ。」
蓮からのメールを見た次狼が、隣にいる菫に言う。菫は両側の腰に差した刀に手を置いて、目を閉じたまま頷いた。
2人は蓮と同じように、戦闘専用の服と黒のコートを着ていた。
「輸送隊か、つまらないな…。」
右側に差してある白龍を少し抜いて刀身に映る自分を見る。そこに映る菫の目は、血に飢えた獣の目によく似ていた。
「そう言うな、仕事は仕事だ。」
ピピピッ!ピピピッ!
不意に次狼のケータイが鳴る。ディスプレイには『蓮』と出ていた。
「どうした?ああ……そうか、敵の対処は?……わかった。」
電話を切って、ケータイをポケットに直す。
「菫、どうやらこっちは陽動らしい。目標は蓮達が追ってる。こっちには討伐部隊が来るそうだ……っと、お越しのようだ。」