牛乳と猫スーツ。



「阿部直樹は…まだいるな。」




そう言って、もう一度銃を構える。女子生徒は双眼鏡で直樹を見ていた。





「少し風が出てきたわ、気をつけてね。」





「バ……バカ…な。」





「え?何を言って―――――――」





男子生徒の言葉に、女子生徒は双眼鏡から目を離して、男子生徒を見るて絶句した。





男子生徒の背中に短剣が刺さっていて、それを持っていたのは遥だったからだ。








「なぜだ……首を斬れば…お前は死ぬ…はず…。」





「私達には特殊な能力がある。それは特定の人の血液を飲むことにより発動、能力は個体によって違う。あなたが知っているのは、お姉様の身体能力の強化かしら?私は家系の中でも特別な能力を持っている。」






短剣を抜くと、男子生徒が倒れる。それと同時に女子生徒が発砲する。弾を受けて、遥は後ろに大きく反り返るが、すぐに起き上がる。コンタクトが外れた左の瞳は赤く染まっていた。
< 784 / 1,131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop