牛乳と猫スーツ。
58…修学旅行へ。



天気は晴れ。高校最後の大イベント、修学旅行への出発の日である。そして日本本土への電車の中に蓮達はいた。




パキッと音を立てながら板チョコ食べる蓮は窓の外から海を眺めていた。





「太るわよ…って、これで何度目かしら。」




向かいに座る雪が言う。




「さあ?中学の時からだし。それより私が食べても太らないって知ってるで――――」






ムニュ。




後ろの席から茶髪でショートカットの女子生徒が蓮の胸をわしづかむ。





「蓮はカロリーが胸にいってるもんね〜!」




「なっ!?晶(あきら)、それは私の役目だぞ!!」




蓮の隣に座っていた菫が晶の腕を離そうとする。




「これほどの美乳は、みんなの物だよ〜!」




「私の物だぁ〜!!」




晶と菫が蓮の胸を揉み合う。





「いや…私の物なんだけど…。」




そう呟きながらチョコを食べる蓮。その後、トイレに行こうとした次狼が通りかかって、晶と菫にげんこつを落とすまで、蓮は2人に胸を揉まれ続けた。





………………………。





……………。





……。







【奈良】




途中、昼食のために奈良へ寄った3年生達。




鹿に興味津々な人達が鹿センベイをあげていた。その中に次狼の姿があった。






「ほ、ほら…。」




次狼が震えながらセンベイを鹿に差し出す。




その瞬間、鹿は一目散に逃げて行った。
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