牛乳と猫スーツ。
60…イギリスへ。〜再会〜



学生寮4階にある会長部屋で蓮は荷物をまとめていた。






「イギリス?」




ゲームを一時停止して、Tシャツに黒と白のストライプのパンツ姿の彩華が蓮の方を振り返る。







「ああ、アルフォードのじいさんに呼ばれてな。少し間、日本を離れる。」




制服姿の蓮が衣類を畳んで大きな鞄に入れていく。






「少しってどれくらい?」




「向こうの状況によるから、具体的な日にちはわからないな。早ければ一週間以内に帰ってくるよ。」




衣類を詰め終わり、ファスナーを閉める。







「そうそう、私がいない間は優華が食事管理してくれるから、帰ってくるまで優華の部屋で生活してね。」





「へ〜〜い。」




停止していたゲームを再開しながら答える彩華。そんな彩華を見ながら、蓮は荷物を持って部屋を出て行く。







「レ〜ン〜!」




女子寮へ下りてきたときに、名前を呼ばれて振り返るとエリーゼが走ってきた。






「グランパに聞いたヨ。イギリスに行くんでしョ?これ渡してほしいデスヨ。」





エリーゼはポケットから、ハート型のリボンがついた箱を取り出す。
< 934 / 1,131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop