私の彼氏
明日の約束をとりつけた大家は帰っていった。

「すげぇ、迫力だったわね」

真由美はびびった。

「それにしてもおかしいですね」

山崎生徒がそう言うと、梅子も「確かに…」と相槌をうった。

「…。そ、そうね。確かに、おかしいわね」真由美も、そう言った。

「何がおかしいのですか?」

山崎生徒が真由美の知ったかぶりを見破って、意地悪くそう言った。

「…。ヒントは?」と真由美。

「ヒントは“五月の遺書”です」

「あっ! わかた! 青山刑事は“五月の遺書”を家族に渡したと言っていたわ。でも、今、大家さんは五月には親兄弟がいないって言っていた。これはおかしい」

真由美は正解した。


「そうじゃ。青山刑事は嘘をついていることになるのう。それに…」

「それに?」山崎生徒が梅子に問う。

「それに、青山刑事は99%の確率でゲイじゃ。根拠はないが、自信はある。信じる信じないは、お前さんがたの自由じゃがな。しかも、ミラクルハードゲイじゃて」


< 157 / 206 >

この作品をシェア

pagetop