私の彼氏
「でも、先生。もし、渡辺が裏で画を描いていたなら、なぜわざわざ、ヒントとなる『○△携帯小説』のアドレスを先生に送ったのでしょう? それに、証拠が全くありませんよね?」

「ええ、決定づけるものは何もない。なーい! なーい! なーい! なーい! なーい! なななない。なななない」

「ふ、ふ、ふじさき?」

「その渡辺とやらの罪の意識がそなたにメールを送らせたのかもしれんのう。渡辺も捕まえてほしがっているのじゃろう。しかし、真実を知っている五月と田中はもうこの世にはおらぬ。秋山は何も聞かされていないそうじゃからな。証拠は何もないぞ」

「先生、どうします? また復讐しますか? 手伝いますよ」

「少し考えるわ」

「それが、よかろう。ゆっくりと考えて、よい答えを出すのじゃぞ」

そこに看護婦が来た。面会時間が過ぎているので、早く帰れと言う。

真由美と山崎生徒は梅子に別れを告げて、病室を出た。


< 191 / 206 >

この作品をシェア

pagetop