私の彼氏
「どうする?」と秋山。

「しばらくここにいる。真由美が来たら、すぐに俺に連絡するよう言ってあるからな」

「あのバーテンいらないことを言わないだろうな」

秋山が不安げに聞く。

「それは、大丈夫だ」

俺が感想ノートに書けと命令したことは絶対に言うなと何度も念をおしてある。それに、三木健介のことはあいつは何も知らない。カワイサツキから何かが漏れるということは絶対にないのだ。



――

二人の注文したアイスコーヒーはなくなった。あらたに、二杯目を頼んだ。


来る、と言った真由美がまだ来ない。深夜二時になった。

「お前から、店にかけてみろよ」秋山がしびれをきらした。

「わかった」と五月が携帯を持つと同時に、店から電話がはいった。


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