青い向日葵


「なんだ、お前か」


杉本を一瞥してまた水面に視線を戻すと、杉本はふっと笑って俺の隣りに腰を下ろした。


俺は別にこいつと友達になったつもりはなかったが、別に避ける理由もなかったので、無下にはしなかった。


二人の間を風が通り抜けていく。


杉本は自分から声をかけておきながら黙ったまま水面を眺めていた。


あんまり沈黙が長いので、落ち着かなかった俺は前を見据えたまま、


「何か用か?」


と声をかけた。


すると、


「これと言って用はないけどね」


と、杉本はふっと笑った。


用もないのに一緒にいるなんて、カップルじゃあるまいし。

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