青い向日葵
「高校生にもなって、恥ずかしげもなくあんなに泣きじゃくるなんて、珍しいよね」
「そうだな。たかが雛一匹死んだだけでな」
そう答えながら、俺はあの日の春野のことを思い出していた。
泣きじゃくった後の濡れたまつげ。
土で汚れた白く華奢な指。
確かに。ちょっと変わってる。
だけど、その姿にちょっとした感銘を受けたのも確かだった。
そしてそれは、今隣りにいる杉本も、同じなのかもしれない、とふと思った。
ちらりと杉本に目をやった。
飄々としている杉本の横顔は、夕日を浴びていやに大人びているように見えた。