青い向日葵
正直、すごいと思った。
同じ学校に通う同い年の奴が、恥ずかしげもなく自分の将来を語ることが。
俺なんて何の目標もなく、ただ日々をこなしているだけなのに。
将来のことなんて、まったく考えられないのに。
「お医者さんかぁ。すごいなぁ」
春野は心底感心しているようだった。
「医者になれば、人の命を助けられるだろ?僕はそこに携わっていたい」
それを聞いてため息が漏れた。
そんなに凛と語るなよ。
自分がみじめになるじゃねぇか。
同級生としても、春野に対しても、完全に差をつけられたと思った。
「大野くんは?」
「へ?」
突然春野に話を振られて、間抜けな声が出てしまった。