青い向日葵
「大野くんは将来、何になりたいの?」
まっすぐ俺を見つめる澄んだガラスの瞳。
俺には到底それを受け入れるだけの度量がなかった。
「さあな」
俺が知りたいくらいだよ。
そっぽを向きながらぶっきらぼうにそう答えると、春野は少し首を傾げた。
微妙な空気を敏感に感じ取った杉本は、
「春野ちゃんは?春野ちゃんは将来何になるの?」
と穏やかに尋ねた。
すると、春野は少し肩をすくめて一人照れ笑いをしながら、
「お嫁さん」
と言った。
俺と杉本は、はっと彼女を見つめた。
「かわいいお嫁さんになって、ひまわりに囲まれた小さな家に住むのが夢よ」
少し頬を赤らめているのが、たまらなく愛しかった。