青い向日葵
「誰にも言わないでよ?」
「言わねぇよ」
杉本は深呼吸をひとつして、
「増田さん」
と言った。
ああ、あいつか。
顔はいいけど、なんでもはっきり言い過ぎなんだよな。
「俺もパスだな」
そう言うと、杉本はちらりと俺を見てにんまり笑った。
杉本とこんなに話したのは、初めてだった。
あいつは優等生で物静かで、俺とは全然タイプの違う人種だから、同じクラスという他に接点がなかった。
それにしても、これほどまでに率直に物を言う奴だとは思わなかった。
ろくに話したこともない俺に、かなり突っ込んだことまでいきなり打ち明けるなんて。
変な奴。