青い向日葵
どこかで間違いであってほしいと願い続けながら、ひまわりの花束を持って、春野の家の前に立った。
おそらく築何十年も経っているのだろう、お世辞にもきれいな家だとは言えなかったし、とても小さかった。
おそるおそる家のチャイムを鳴らすと、やや乱暴にその扉は開けられた。
中から出てきたのは、柄の悪い身なりも下品な女だった。
咥えタバコで俺を不審な目で見る。
「……春野さんに会いに来ました」
静かにそう言うと、その女はぶっきらぼうに「どうぞ」と言った。