アニマルマジック
**005
竜二は次の日もそのまた次の日も顔を出さなかった。
日曜日にクラスでいるグループと買い物に出掛けることになった。
みんなとこうやって笑って話すことが一番幸せなことで、私の気持ちを楽にしてくれた。
「あ、この服絶対桃子似合うよ」そう言って今はやりのチュニックを私の体に合わせてくれる詩。
「ほんとっ!桃子似合うじゃん」他の子たちも私の姿を見て誉めてくれる。
「可愛い…」鏡の前で自分の姿を見る。
「買おうかな……」
ブーブー
鞄の中に入っている携帯のバイブ音が鳴っている。
「あっ、これ持ってて」
手に持っていたチュニックを友達に渡す。
゙着信:比嘉竜二゙
画面に写る彼の名前にびっくりして即座に電話に出る。
「竜二?!どうしたの?!」驚きと嬉しさが入り雑じって大きな声が出る。
<うるせーな。声でけぇーよ>彼の声は無愛想だけどこの前のときとはまるで違う。嬉しくて嬉しくて思わず笑みがこぼれる。