わかれあげまん
「ほ、ほんとにもう気にしないで?分かってるから。藤宮くんはそういう人じゃないって。…」
「……」
「藤宮くん、山を下りる前から辛そうだったし…高い熱も出てたし、…」
「……」
「…な、何か言ってよ…」
正座した膝の上で拳を握りしめ、黙ったままの哉汰に、とうとう柚はそう請うた。
「ごめん。…話したいって待ってたのは俺なのにな。」
ぼそりと掠れた声で哉汰が返した。
「何を言ってもあんたを傷つけちまいそうで…恐いんだ」
らしくなく弱々しい声でそう言って頭を垂れた哉汰を正面にしながら、柚は切なく眉根を寄せた。