わかれあげまん
残された柚は暫くきょとんとベッドに座りこけていたが。
襲い来る頭痛に根負けする形で、ふぇーっと情けない溜息をついて再びどさっとベッドに仰向けた。
ふじみやかなたくん、か。
何だか少し不思議な人だったな。
…っていうか。
あたしの第一印象、最悪だろな。
鼻の下まで引き揚げたシーツの中で自嘲気味にクスッと笑った時、フワリと彼のシャツの香りがして、その優しい匂いのせいなのか急激に眠くなってきた。
「ま、いいや。…ねよ」
こうして柚は、藤宮哉汰との最初の出逢いを果たした。