海の記憶に残る恋
「ここに来たとき、すぐには思い出せなかったんだけど、あそこの簡易休憩所で思い出したことがあるんだ」




妻はシンジに聞き返した。




「何を?」




シンジは海のほうを見ながら答えた。




「昔、もうずっと昔、十五年くらい前、まだ学生のころに、そこの簡易休憩所でアルバイトしていたことがあるんだ」




妻は少し驚いていた。




「へえ、そうなの。知らなかった」




シンジはまだ海のほうを見ている。
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