ライフ・フロム・ゼロ

FAIR


月曜の朝はいつもだるい。

あくびを噛み殺しながらデスクに向かい、
のろのろと今日の仕事に
取り掛かろうとした時だった。


「中谷さん」


背後から声をかけられ、振り返ると
経理のお局様がいた。

うわ、この人苦手。
でも、精一杯愛想を振りまいた。


「おはようございます!なんでしょうか?」


それでもお局様は表情ひとつ変えない。


「ちょっと、今いいかしら?」


「…はい、なんのお話ですか?」


「ちょっと聞きたいことがあって。
 ミーティングルームで課長もお待ちなの」


「課長…?」


「ええ。だから少しだけお願いできない?」


「わかりました」

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