ライフ・フロム・ゼロ
月に負け犬

東京の女(ひと)









目の前のミルクティーはすっかり
冷めてしまった。

店主を呼び、追加で同じものを頼む。


目の前の空っぽの席。
さっきまで、あの子が座っていた席。


テーブルの端に置かれた、五千円札。
あの子の背筋のように真っ直ぐなお札。

また煙草を火をつける。
灰皿の中には6本も吸殻がある。







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