西野くんの偽カノジョ




教室に向かう途中、階段を上ってひとみと廊下を歩いていると



前から西野くんとつばきちゃんが歩いてきた。



思わず目を剃らしたくなったけど



それじゃあいつになっても変わらないと思ったあたしは



あいさつはできないけど普通に通り過ぎようとした。


だけど…



「結衣ちゃんだ〜!」



とつばきちゃんがあたしを呼んで普通の声で言うと、


今度はそばに来て




「邪魔しないでって言ったよね?



昨日一緒にいたでしょ!」


つばきちゃんはそう言うと、あたしの手を思いっきりつねった。



「痛っ…」



「結衣ちゃんがあたしの言うこと聞かないからでしょ?



自業自得。



次はないから。」



そう言うと、葵行こー!と西野くんの腕を引っ張りながら通りすぎた。



「つばきちゃん!」



あたしは無意識に名前を呼んだ。



< 118 / 355 >

この作品をシェア

pagetop