西野くんの偽カノジョ



「ごめん、今日は俺に用だったんだ。



いつものように葵かと思って呼んじゃった。ごめんね。」



ハルくんは全然悪くなんかない。



いつもちゃんと呼ばないあたしがいけないんだから。



「全然、謝らないで下さい。むしろ、あたしの方こそごめんなさい。



あの…本当は西野くんに聞こうと思ったんですけど、タイミングを逃しちゃって…



1つだけ聞きたいことがあるんですけどいいですか?」



あたしがそう頼むと、ハルくんはちょっと困った顔をして…



「それは全然構わないんだけど、葵の冷たい視線が凄いから場所違う所でもいい?」



と言ってきた。



隣でひとみは西野くんの方をみると「あちゃー…」と言っている。



あたし何かまずいこと…しちゃった?



「あ…わかりました。」



「どっか空き教室行こっか?」



「はい!」



あたしが返事すると、3人ですぐに空き教室に向かった。




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